【キャリア共奏 第0049号】

キャリア・カウンセラーの濱野です。
今日は、キャリアコンサルティングの視点に、業務コンサルティングの視点も加えて、書かせて頂きます。

昨日は、自己変革をテーマに、

「新しいことにチャレンジする時、誰でも必ず一歩目を踏み出さなければいけない、それと同時に、今を維持しようとする自分を、振り切らなければいけない」

ということを書きました。


一方で、外部環境の変化によって、今のままで居続けることができなくなって、変化に抗えず変えさせられることもあります。

一歩目を踏み出すとか、今を振り切るとか、言っている場合ではなく、泣こうがわめこうが、変わらざるを得ない時があります。

まさに、それが今。

2019年までは、少子化/高齢化が日本の社会課題として叫ばれていた。ただし、誤解を恐れずに言うなら、多くの企業は労働力不足を『将来』の経営課題として捉え、働き方改革に対しては経営上の喫緊の課題ではなく、「法律改正への対応」として取り組んできた。

だから、一部の企業を除き、危機感をもって進めていたか、今を維持しようとする企業風土に抗ってまで振り切ろうとしていたかと言えば、そうではない企業が多かったと思います。

でも、今年2020年になり、パンデミックが社会課題となり、『目前』の従業員の安全・安心や事業継続が、最優先の経営課題となったことで、各企業が、リモートワーク(働き方改革の一つの側面)に目の色を変えて、取り組まざるを得なくなった。。

つまり、外部環境が変化したことで、『将来』に先送りしていた働き方改革が、『目前』の課題となり、今を維持することが許されなくなった。

一歩目を踏み出すとか、今を振り切るとか、言っている場合ではなく、変わらざるを得なくなったということだと思います。


でも、少子化・高齢化は、人口動態を考慮すれば、必ず起きる未来。

それでも、労働力不足なんてまだ先の話で、「今、一歩なんて踏み出さなくて良いんじゃない?」という、今を維持しようとする力(企業風土)の強さは、抗えないほど強かった。
そして結局、企業を変えた原動力は、自分の意思という前向きなものではなく、急激な外部環境の変化という後向きなものだった。

業界や業種によって、一律に論じるべき話ではないことは、承知した上であえて書いています。


昨日、書いた

「新しいことにチャレンジする時、誰でも必ず一歩目を踏み出さなければいけない、それと同時に、今を維持しようとする自分を、振り切らなければいけない」

これは個人のキャリアについて書いたことですが、上記の(一部を除く)企業の対応とまったく同じことが言えると思います。

変化の激しい現状、そして、必ず起きるであろう未来の変化に対して、
新しいことに『自ら』チャレンジすれば、待っているのは、自分自身で前向きにコントロールできる自らのキャリア。

でも、チャレンジせず、現状を維持しようとするれば、待っているのは外部環境の変化に抗えなくなって、どうしようもなくなってから変えさせられる、後向きのキャリア。 

という未来。

少し長くなりましたので、 明日も、続けたいと思います。