キャリア・カウンセラーの濱野です。

今週は、様々な著者の言葉を紹介しながら、
「キャリアの選択、人生の選択を、自分自身で行うこと」
という視点から考えたこと、感じたことをお伝えしています。


国立がん研究センター中央病院
精神腫瘍科長 清水研 先生
「もしも一年後、この世にいないとしたら。」
の一節を紹介します。

清水先生は、がん患者さん専門の精神科医および心療内科医である精神腫瘍医として、
3500人以上のがん患者さんと対話してきた経験をお持ちのお医者さんです。

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・・・略・・・

「must」の自分のほうが主役になり、常に「弱音を吐いてはダメだ」という声が

「want」の自分を強烈に縛ってしまうようなあり方は、なかなか大変です。

もしその努力により、たとえ社会的な成功を手に入れたとしても、

「want」の自分が悲鳴を上げてしまい、こころの奥底には虚しさが漂ってしまうように思います。

そして、強い「must」の自分がいる人たちは、「must」の声に従って頑張ることが

できなくなる中年期などに、危機を迎えることがあります。

あるいは、がんになるなどの大きな障壁に期せずしてぶつかると、行き詰ってしまうことがあります。

・・・略・・・

「want」の自分、ほんとうの自分が主役で生きていれば、

少なくとも「自分はこれでよいのだろうか」という迷いはなくなるのではないかと思います。


清水研 「もしも一年後、この世にいないとしたら。」より

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「must」に追われていると、「want」が何だったのかわからなくなる、

「want」を感じることすら、できなくなってしまうこともあります。

そして、「want」が見つかったからといって、「must」を手放すのは、

容易なことではないでしょう。


私は、4年前に、将来のキャリアの「want」を見つけました。

当時は、wantを手にいれたくても、スキルも環境も何もありませんでした。

あれから4年、今まさに「must」を手放し、「want」に充ち溢れた

キャリアを手に入れようと、一歩を踏み出し戦っています・・・自分自身と。


私の場合の「must」は、仕事上の役割・職責でした。

このタイミングで、自分は「must」を手放し、「want」を追い求めていいんだろうか?

ビジネスへの影響はどうだろうか?


そんな自問自答が、自分を縛りつけていました。

でも、「このタイミング」なんて、自分が作らない限り、

いつまで待ったっても、誰も作ってはくれない。


限られた人生、限られた命、自分の命なのだから、

「want」の自分、ほんとうの自分が主役で生きていきたい。


私は、自分自身で選択したキャリア、人生を生きたい。